自分の車が壊れたときの補償は?

2018年7月7日

車両保険とは

事故で自分の車が壊れた場合、「車両保険」に加入していれば車の修理代を保険でまかなうことができます。
ただし、車両保険は他の補償よりも利用される頻度が高く車種によっては相当な高額になるため、車両保険に加入するのであればどのタイプの車両保険にするか、条件はどうするかをよく理解して保険料を見直すことをおすすめします。

車両保険のタイプについて

車両保険には一般車両保険(フルカバータイプ)と限定車両保険(エコノミータイプ)の2種類があります。

一般車両保険と限定車両保険の補償範囲比較
補償対象一般限定
自動車以外の他の物との衝突×
当て逃げ×
転覆・墜落×
車同士の衝突〇※
火災・爆発
盗難
台風・洪水・高潮
窓ガラス破損・いたずら・落書き

※相手車両の運転者もしくは所有者が確認できた場合のみ補償

なお、車両保険は

地震・津波・噴火による損害は補償されない

ので注意が必要です。

よくある車両事故を参考にどちらのタイプがいいか考える

交差点の出会い頭で相手の車と衝突

自分の車の修理代が50万円で過失割合が50:50だと、自分の車の修理代のうち半分の25万円が相手から支払われます。この場合残りの25万円は「一般車両保険(フルカバータイプ)」もしくは「限定車両(エコノミータイプ)」のどちらでも支払われます。

駐車中に落書きされた

駐車中にスプレーやコインで落書き・傷をつけられてしまい、全塗装で30万円の費用がかかってしまった場合、いたずらというよりは「犯罪」にあたる行為ですが、このようなケースでも「一般車両保険(フルカバータイプ)」もしくは「限定車両(エコノミータイプ)」のいずれでも補償されます。

駐車から戻ってくるとボディが凹んでいた

凹んでいたボディが明らかに「いたずら」と証明できないと、限定車両保険では補償されません。
また凹んでいたボディが「当て逃げ」だった場合、相手の車を特定できれば相手に100%損害賠償を請求できますが、相手の車を特定できない場合はやはり限定車両保険では補償されません。

車上荒らしでカーナビを盗難された

窓ガラスを割られてカーナビだけを盗まれた場合、「一般車両保険(フルカバータイプ)」もしくは「限定車両(エコノミータイプ)」のいずれでも「盗難」として補償されます。
ただし、車に固定されていない装備品やシートに置き忘れたバッグなど、身の回りの品は補償対象外です。

ゲリラ豪雨で車が水没して全損

ガード下の渋滞にはまっている時に豪雨であっという間に水没してしまった、走行中に道路が思った以上に水没しており、エンジンが水を吸って止まってしまった、など、このようなケースはほとんど全損扱いとなってしまいますが、この場合は「一般車両保険(フルカバータイプ)」もしくは「限定車両(エコノミータイプ)」のいずれでも補償されます。

上記の例を自分の普段の車での生活にあてはめ、自分も遭遇しそうな損害を洗い出し、保険料を算出して最終的にどの条件で加入するか判断するといいでしょう。

なお、車が相当古い場合は車両保険に加入できない場合もあるので、あらかじめ保険会社に確認しておきましょう。

免責特約を活用して車両保険の保険金額をおさえる

車両保険には免責金額(保険を使うときの自己負担金額)の設定があり、免責金額を大きく設定すると保険料を安く抑えることができます。

例えば事故による車の修理代が30万円で自己負担分も30万円だった場合、免責金額を5万円で車両保険に加入していたとすると

30万円-5万円=25万円

が保険金として支払われます。

なお、免責金額は保険加入期間内で1回目の事故と2回目の事故各々で金額設定でき、1回目の事故のときの免責金額を5万円、2回目以降の事故のときの免責金額を10万円と設定すると、免責金額は「5万円-10万円」と表記されます。

この免責金額は車両全損時には適用されず、さらに相手との事故で相手側の過失による相手からの保険金の支払い額が免責金額を上回る場合は、実際には自己負担は発生しません。

例えば、自分の車の修理代が40万円で免責金額(自己負担)が10万円、相手との過失割合が50%で相手からは20万円が支払われる場合、

修理代40万円ー免責金額(自己負担)10万円+相手からの支払い20万円=50万円(保険からの総受取り額)

となり、修理代40万円を差し引いても免責金額(自己負担)10万円をカバーすることができ、これを回収金規定といいます。

このように、

免責金額を負担しなくてもいい

場合もあるので、免責金額を設定して車両保険料を見直すこともできます。

免責金額による車両保険の年間保険料比較例
免責金額(自己負担額)
(免責1回目事故-2回目以降事故)
限定車両保険一般車両保険
免責(0万円―10万円)¥11,800¥25,680
免責(5万円―10万円)¥9,800¥20,420
免責(10万円―10万円)¥8,020¥17,520

車両価額とは?

車両保険では補償額を設定するために、「車両価額」という基準を使います。
車両価額は車の形式や年式やグレードによって設定できる保険金額が決まっており、「自動車保険の車両標準価格表」という指標が用いられます。

この車両標準価格表の記載価格は現在から過去8年までの間に新車登録された車両価格で、それより古い車両は同年式・同グレード・同走行距離相当の中古車相場の車両価格を参考に設定されます。

なお、上記のように一度設定された「車両価額」による補償額も、車両の価値が年式とともに下がることにより、契約更新時には補償額が減額されることになります。

現時点での補償額は加入している保険代理店で調べてもらうことができます。

車両保険の選び方について

実際のデータによると、車両保険では修理費(部品費、工賃、塗装費他)が8割を占め、1件あたりの修理費はおおむね28万円となっています。

※損害保険料算出機構:自動車保険の概況(2017年度)より引用

ほとんどの車両事故の修理費が30万円前後で、車両保険を使うと3等級下がって保険料がアップする可能性が高いことを考えると、

少額な事故の修理代は自己負担

することを念頭に、車両保険は免責金額を設定して保険料をおさえ、保険料の節約分を万が一の時の自己負担分としてプールしておくのも一つの考え方でしょう。

いずれにせよ、今使っている車や家計に対するインパクトを踏まえ、そもそも車両保険が必要か、必要であれば免責金額を設定するかしないか、最終的には車を利用する方全ての納得感や安心感を基に判断するのがいいでしょう。

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