確実に燃費を良くする方法と燃料ランプ・給油ランプがついてから走れる距離の目安
普段の運転を見直して、できるだけ急発進・急加速・急停車など、急のつく運転を避けるのは、安全運転につながるとともに燃費の改善にも役立つのは間違いないのですが、ここでは、
普段通りの運転でも確実に燃費が良くなる
方法をご紹介します。
車の荷物を整理する
積みっぱなしの荷物を一度全部外に出し、本当に車に積んでおく必要があるか整理してみましょう。車が少しでも軽くなるに越したことはありません。
必ず車に積んでおく必要があるものは、
◇車検証
◇発煙筒
◇ジャッキなどの工具類
◇三角停止板
◇スペアタイヤ
くらいで、三角停止板以外は通常、車を購入した当初から設置されているものです。
タイヤの空気圧を適正値に保つ
車のタイヤは何もしなくても徐々に空気が抜けてきます。
タイヤの空気圧が適正値よりも低くなると確実に燃費が悪化するし、高速走行でタイヤがバースト(破裂)する危険性も増します。
大体の目安ですが、最低でも6か月に一回はタイヤの空気圧が適正値であるか、空気圧チェックすることをおすすめします。
注意点としては、タイヤサイズが同じでも装着される車種によって指定の空気圧が異なる場合があるため、運転席側のドア付近あるいは給油口等に貼付されている空気圧表示シールに指定された空気圧で空気を充填しましょう。
なお、空気が自然に抜けることを想定して指定空気圧より+20kpaまでの範囲で高めに空気を充填するのも有効です。
標準で車載されている応急用タイヤ(タイヤがパンクしたときのテンパータイヤ)は標準でも指定空気圧が高いため、空気も抜けやすい傾向にあります。
標準タイヤの空気圧チェックのタイミングで合わせて必ず応急用タイヤの空気圧チェックも行いましょう。
タイヤサイズの見方などは、タイヤ規格とタイヤサイズの表示について もご覧ください。
指定空気圧の例とおすすめ空気圧
タイヤの空気圧 (一般、高速共) | 指定空気圧 | 充填空気圧 (おすすめ) | ||
---|---|---|---|---|
kPa (kgt/c㎡) | ||||
タイヤサイズ | 前輪 | 後輪 | 前輪 | 後輪 |
185/65R14 86S | 220 (2.2) | 220 (2.2) | 230 (2.3) | 230 (2.3) |
(応急用タイヤ) T125/70D14 93M | 420 (4.2) | 440 (4.4) |
窒素ガス充填も有効
タイヤには通常空気を充填しますが、窒素は酸素よりもゴムを通り抜けにくい性質があり、空気のかわりに窒素ガスを充填すると下記のようなメリットがあります。
◇燃費悪化の要因となる空気圧低下が起こりにくい
◇温度差による空気圧の変動が少ない
◇酸素をほぼ含まないので発火の危険性が低い
◇酸化の要因となる酸素をほぼ含まないのでゴムやホイールが長持ちしやすい
窒素ガス充填は基本有料ですが、タイヤ取扱い店によっては無料充填してくれるところもあります。
また空気のおよそ78%はもともと窒素のため、窒素ガスを充填したタイヤに多少の空気が混ざっても問題ありません。
機会があれば窒素ガスの充填も検討してみましょう。
低燃費タイヤ(エコタイヤ)に替える
低燃費タイヤ(エコタイヤ)とは燃費性能に優れたタイヤを総称したもので、具体的にはJATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が2010年に策定したグレーディングシステムの基準を満たしたタイヤのみが低燃費タイヤと定義されて販売されています。
なお、対象となるタイヤは
消費者が交換用としてタイヤ販売店等で購入する乗用車用夏用タイヤ
とJATMAで定義されており、トラック用タイヤや冬用スタッドレスタイヤは含まれません。
低燃費タイヤのグレーディングシステム(等級制度)について
JATMAが定めた転がり抵抗係数の等級がA以上で、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にあるタイヤが「低燃費タイヤ」となります。
単位(N/kN) | 単位(%) | ||
---|---|---|---|
転がり抵抗係数 | 等級 | ウェットグリップ性能 | 等級 |
(RRC) | (G) | ||
RRC≦6.5 | AAA | 155≦G | a |
6.6≦RRC≦7.7 | AA | 140≦G≦154 | b |
7.8≦RRC≦9.0 | A | 125≦G≦139 | c |
9.1≦RRC≦10.5 | B | 110≦G≦124 | d |
10.6≦RRC≦12.0 | C |
例えば下図のラベルがあるタイヤは、転がり抵抗性能が AAグレードでウェットグリップ性能がcグレードの低燃費タイヤであることを意味します。
※表および図はJATMAサイト:ラべリング(表示方法)制度についてより引用
ブリヂストンの指針によれば、グレーディングが1つ上がると燃費は約1%改善されるといわれており、転がり抵抗係数「A」から「AA」に替えた場合は約1%改善、「AAA」では2%の改善、低燃費タイヤ既定外のタイヤから「AAA」へ替えたならば3%の燃費改善が期待できます。
低燃費の効果をガソリン価格で試算すると、140円/Lの場合なら1%改善で1.4円、2%改善で2.8円、3%改善で4.2円安くなる計算です。
これを年間標準走行距離12,000km、燃費10km/Lとして年間での燃料費削減額を算出します。
改善幅 | 改善金額 (140円/ℓ) | 燃料費削減額 (1.2万km/年間) | 低燃費タイヤへの交換例 |
---|---|---|---|
3% | 4.2円 | 5,040円 | 規格外⇒「AAA」 |
2% | 2.8円 | 3,360円 | 「A」⇒「AAA」 |
1% | 1.4円 | 1,680円 | 「A」⇒「AA」 |
※計算式:燃料費削減金額=改善金額×12,000km÷燃費10km/L
タイヤの減り具合は走行距離に加えて運転の仕方でも変わってきますので一概にはいえませんが、低燃費規格ではない通常タイヤから最高グレードの低燃費タイヤ「AAA」に替えた場合、3年間で約15,000円、5年間で約25,000円もの燃料費が浮く計算となります。
燃料ランプ・給油ランプついてから走れる距離の目安
おおよそですが、国産車の場合は残りの燃料が10ℓくらいになると給油ランプが点灯するように設計されています。
国産車の場合は実質燃費が1ℓあたり5kmより悪い車はほとんどないので、給油ランプが点灯してからおおよそ50kmくらいは走行できる計算となります。
よって50km走る前に給油すればいいのですが、急な坂道などで燃料タンク内の燃料が片寄ってまれにエンジンがストップしてしまうこともあります。
基本的には給油ランプが点灯したら最寄のガソリンスタンドで燃料を入れるようにしましょう。
なお、外国車の場合は給油ランプが点灯した時点で残りの燃料がほとんどない場合もありますので、燃料が少なくなってきたら早めの給油を心がけましょう。